2026-02-20
女性モデル(VRM)の制作手順
女性VRMモデルを制作した際の工程を、モデリング・リギング・改善ポイントまで順に記録した記事です。

VRMキャラクターモデル制作の工程
はじめに
本記事では、Blenderで制作したキャラクターモデルを Unity経由でVRMとして使用できるようにするまでの工程をまとめています。
モデリング、リギング、UV展開、テクスチャ制作まで、 実際の制作フローに沿って整理しました。
制作環境
使用ツール
- Blender
- Substance Painter
- Unity
- VRM
モデル仕様
Triangles
109,394
テクスチャ
4096 × 4096 : 4枚
(顔 / 身体 / 髪 / 衣装)
512 × 512 : 2枚
(シューズ / 顔アウトライン調整)
テクスチャ合計
6枚
シューズは後から追加したため、Substance Painterでのテクスチャ制作は行っていません。
単色テクスチャを使用し、ライティングによる陰影で表現しています。
制作期間
2025年8月6日 〜 2025年9月18日
総制作時間
約120時間
Substance Painterによるテクスチャ制作と本格的なリギングは今回が初めてであり、
書籍チュートリアルを2回ほど試した後、試行錯誤しながら制作を進めました。
参考資料
- スカルプターのための美術解剖学
- Blenderリギング(Armin Halac)
- Blender+Unityで作る3Dキャラクター制作ガイド
- Blenderでつくるセルルックキャラクター
1. 頭部モデリング
まず頭部から制作を開始しました。
今回は書籍 「Blenderでつくる:セルルックキャラクター」の手順を参考にし、 目の周辺から顔全体を構築する方法を採用しています。
この方法は表情の構造を作りやすく、 後のシェイプキー作成にも適しています。

2. 身体のモデリング
身体はシンプルなポリゴンから作成し、 低ポリゴンで大まかな形状を作った後にディテールを追加しました。
初期段階では以下を意識しています。
- できるだけ少ないポリゴンで形を作る
- 後からトポロジーを整える
- リギングを考慮した面構成にする
この段階ではまだ形状は粗く、 リギング前に美術解剖学を参考に調整を行いました。

3. 手のモデリング
手は制作工程の中で最も難しい部分でした。
理由は以下です。
- 構造が複雑
- 人が違和感を感じやすい
- リギング時の変形が破綻しやすい
特に指の関節部分のトポロジーは ウェイトペイントに大きく影響するため慎重に調整しました。

4. 髪のモデリング
髪のモデリングは次の部位ごとに構造を分けて制作しました。
- 前髪(Bang)
- サイドヘア
- バックヘア
- 襟足
髪はトポロジーが乱れると UV展開が破綻しやすい部位でもあります。
そのため、後工程を意識して ポリゴンの流れを整えることを重視しました。
髪は板ポリではなく、塊状のメッシュ構造で制作しています。
アニメ調のシルエットを維持するため、大きな塊で形状を作り、必要な部分のみポリゴンを追加しました。

5. リギング
モデリング完了後、リギングを行いました。
リギングとは ボーン(骨)を設定してキャラクターを動かす仕組みです。
特に難しかったのは ウェイトペイントでした。
ウェイトペイントでは
「どのボーンがどの頂点を動かすか」
を調整します。
特に指は
- 付け根
- 第一関節
- 第二関節
と関節が多く、調整に時間がかかりました。

6. UV展開
次にテクスチャ制作のため UV展開を行いました。
UV展開とは 3Dモデルを平面に展開し テクスチャを貼れるようにする工程です。
主な作業は以下です。
- シームの設定
- UV展開
- UV配置
- 歪みのチェック
特に顔は高解像度が必要なため UV領域を大きく確保しました。

7. テクスチャ制作
テクスチャ制作には Substance Painterを使用しました。
テクスチャサイズは主に4096pxを使用しています。
キャラクターの顔・身体・髪・衣装でそれぞれ独立したテクスチャを使用しています。
キャラクターの
- 肌
- 髪
- 衣装
の色や質感を調整しています。

8. 表情(シェイプキー)
キャラクターの表情は Blenderのシェイプキーで作成しました。
シェイプキーでは
- 頂点を移動させる
- 表情を保存する
ことで VRMの表情制御として利用できます。

9. UnityでVRM化
最後にモデルを FBX形式で書き出し、Unityにインポートします。
VRMのセットアップについては、書籍「Blender+Unityで作る3Dキャラクター制作ガイド」の手順を参考にしています。
UnityではVRM1のMToonシェーダーを使用しています。
Unityでは
- VRM設定
- ボーンの確認
- ウェイト破綻の修正
- 衣服貫通の修正
主に以下のVRM設定を確認しました。
- BlendShape設定
- LookAt設定
- SpringBone設定
を確認し、最終的な調整を行いました。

今後の改善点
今回の制作で特に課題として感じた点は以下です。
髪モデリング
髪の構造設計とバランス調整は 今後さらに改善したいポイントです。
ウェイトペイント
特に指のウェイト調整は 効率化の余地があると感じました。
テクスチャ表現
テクスチャの質感表現も 今後の研究対象です。
おまけ:制作途中で気づいた問題
制作途中で、モデルのバランスに違和感が出る問題がありました。
主な原因は次の2点です。
平行投影でモデリングしていた
顔のモデリングを平行投影ビューで進めていましたが、 実際の表示は透視投影になるため、奥行きバランスが崩れていました。
そのため最終的には透視投影ビューで形状を調整しています。
リファレンス不足
また、顔の形状を調整する際にリファレンス画像を使っていなかったため、 細部のバランスが崩れていました。
最終的には
- 正面
- 側面
のリファレンス画像を配置して修正しました。
このような基礎的な確認は、キャラクターモデリングでは重要だと感じました。
まとめ
今回の制作では
- Blenderでキャラクターモデリング
- リギング
- UV展開
- テクスチャ制作
- UnityでVRM化
という一連のパイプラインを構築しました。
このモデルは現在、 Unity上でAIキャラクターとして活用する実験にも使用しています。